和室の魅力とは?タタミの部屋づくりのポイントを解説!

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日本古来の良さを感じられる「和室」は、誰もが知っている伝統建築と言えるのではないでしょうか。
もともとは仏間など格式高い部屋として設えられていましたが、現在では様々な形で住まいの中に設えられています。
独立した和室の空間だけでなく、畳スペースとして暮らしにより密接に関わる間取りも人気です。
今回は、そんな和室の魅力について解説していきます。

Contents

□和室と畳 種類と特徴

和室といえば、床いっぱいに敷き詰められた畳をまず思い浮かべるのではないでしょうか。
本来の格式高い「和室」では畳敷き、真壁の柱壁、左官の壁、板張りの天井などなどがその構成要素となっていました。
部屋の大きさも「畳」の大きさから決めていくのが本式のつくり方です。

ですが、現在はなかなか家で法事をすることもなく、コンパクトな家の中で、普段使わない部屋を設けるのもスペースがもったいないなどの理由から、普段使いの「和室」が求められることが多くなりました。使いやすいように真壁は柱の見えない大壁になったり、仕上げも自由に決めたり。「和室」の定義は「畳敷き」であること、になってきています。ですので「和室」を「畳のひいてある部屋」と広く解釈して解説したいと思います。

 

 

畳の種類

畳にゴロンと寝転がるのは単純に気持ち良いですよね。
これは畳が柔らかい素材で構成されているからです。
一般的には「畳床(たたみとこ)」「畳表(たたみおもて)」「畳縁(たたみへり)」によって構成されています。
この3つの部材の組み合わせで畳の性質が違ってきます。

①畳床(たたみとこ)
畳の本体、中身の部分です。
素材によって種類があります。

藁床(わらどこ)…昔からのつくり方でわらを編んでつくります。使ううちに程よい硬さになりますが、時々風を通す必要があります。
スタイロ床 …ボード系断熱材を基材としたものです。藁床のようなメンテナンスがいらないため、現在主流となっています。

②畳表(たたみおもて)
畳の表面を覆う部分で、私たちが直接触る部分です。
こちらも素材によって種類があります。

イ草 …最も一般的な表。独特の香りがあり、日に焼けてだんだん色が変わっていく。
和紙 …和紙製の表。カビ・ダニに強く、色が豊富。
樹脂 …樹脂製の表。経年変化が少なく、耐性が高い。

と、見た目は近いですが、それぞれ特徴を持っています。

③畳縁(たたみへり)
畳のふちを保護するために取り付ける布地です。いろいろな模様のモノがあります。
最近はこれをつけずすっきりさせた「フチなし畳」が人気です。

 

畳の効果

畳は実は色々な効果を持っています。
これは上であげた素材によって有する効果に違いがありますので、素材を選択する際に注意が必要です。

①浄化作用+吸湿・放湿作用 
(藁床、イ草)
植物製の部材は、木材と同じように呼吸することによって、室内の二酸化炭素ガスを吸収したり、梅雨などの湿気の多い時期には湿気を吸収したり、冬などの乾燥した時期には湿気を放出するなど、室内の空気を調整する効果があります。

②保温・断熱効果
(藁床、スタイロ床)
スタイロは断熱材なので、もちろん断熱効果があります。藁床もわらで空気を閉じ込めたものなので、同様に断熱効果があります。
冬場には室内で温められた空気を逃さず、夏場には外気の影響を受けづらく、室内の温度上昇を防ぐ働きが期待できます。

③吸音効果・弾力性
(藁床、スタイロ床)
上記と同様に、断熱材と同じ効用により、下の階への音をやわらげたり、程よい弾力性を持つ性質があります。
畳表の下に「ペフ」と呼ばれるクッションを一枚入れることで、さらに柔らかい肌触りを持たせることも可能です。

④鎮静効果
(イ草)
イ草が持つ特有の香りにより、疲れた体を癒して心を鎮めてくれる働きがあります。
アロマテラピー効果により睡眠の質が上がるという研究もあるようです。

 

上記のように様々な種類と組み合わせがあります。

HAND-WORK HOUSEでは、効能やメンテナンス性、意匠性を考えて、

【床-スタイロ床 + 表-イ草 + 縁-フチなし】

をオススメすることが多いです。
小さな子供さんや高齢の方がいらっしゃる時には、柔らかさをプラスできる「ペフ」を入れることもオススメしています。

 

□畳スペースの活用方法

和室は、古典的に独立して配置されることが多い傾向にあります。
しかし、畳スペースとして考えた場合、LDKの一角であったり、LDKにくっついていたりと、普段の暮らしの場として利用が可能です。
ここでは、畳スペースの活用方法をいくつか解説します。

1つ目は、赤ちゃんのお世話スペースです。
赤ちゃんがいるご家庭では、柔らかい畳の上で赤ちゃんを着替えさせたり、オムツの交換を行ったりすることができるので便利です。
赤ちゃんや子供のお昼寝スペースとしても活用でき、柔らかいので激しく寝返りを打っても安心です。
寝ている様子を見ながら、心配なく家事や料理をすることができます。

2つ目は、家事スペースです。
畳スペースで洗濯物を整理したり畳んだりすれば、足への負担を減らしつつ家事ができます。
アイロンがけや裁縫などの家事を行うスペースとしても、リラックスしながら活用できるでしょう。
キッチンや洗濯室との配置計画を工夫するとさらに使いやすくなりますね。

3つ目は、大人のお昼寝スペースです。
フローリングでそのまま横になり、身体が痛くなったという経験がある方も多くいらっしゃるでしょう。
ダイニングやリビングの隣に畳スペースがあれば、ちょっと横になりたい時に重宝します。
コンパクトなLDKの場合に、ソファの代わりに設置するのもよい選択かもしれません。

4つ目は、キッズスペースです。
リビング内に畳スペースを設ける場合、子供の遊び場として活用できます。
特に小さい子供がいるご家庭では、遊んでいる時でも心配なため、常に監視しておく必要があるでしょう。
子供を見守りやすい環境でありつつ、フローリングよりも傷がつきにくいため、思う存分遊んでもらえるメリットがあります。

5つ目は、来客用の宿泊場所です。
気の知れた友人やご両親など遊びに来られた時に、臨時の宿泊場所として活躍します。
4帖ほどあれば2~3人寝ることが可能です。
この使い方を考えるのであれば、近くに布団を納める場所を確保しておくとより使いやすくなります。

などなど、和室=タタミスペースにはいろいろな使い方ができる可能性があふれています。
これといった機能がない空間とも言えますが、時と場合によってフレキシブルに使える空間であることが一番の魅力ですね。

 

□タタミスペース事例

・タタミスペース+縁側
ダイニングの隣に設けた4帖ほどのタタミスペース。
縁側を一緒に設けることで、洗濯部屋干し~畳むところまでここで済ませることができる。
小さなお子さんの遊び場、赤ちゃんのお昼寝場所としても活用されています。

 

・小さなタタミスペース
LDKの一角に3帖ほどのスペースを設けた例。
一段高くすることで、ベンチ代わりに腰掛けたり、そのまま寝転がったりすることができます。
右手のベランダから取り込んだ洗濯物をすぐにたためるのも便利なようです。
左手の扉の中には仏壇が入っているのですが、設えをまとめることで普段は全く気にせず使うことができています。

 

・タタミリビング
リビングを畳敷きとした例。
ソファを置かず、1段上がったタタミスペースがソファ代わりになっている。
左手にはスタディコーナーも設けられている。
リビングとダイニングは障子で仕切ることもできるようになっている。

 

こちらはソファと共存したタタミリビング。
タタミリビングでは座ってテレビを見たりくつろいだりする。
ソファはダイニングテーブルの向こうにあり、庭や風景を楽しむ場所になっている。

 

 

□まとめ

和室にもいろいろな使い方、活用の仕方がありそうですね。
和室=タタミスペースと考えて、大きさや場所にこだわらず、様々な使い方を考えてみるとよさそうです。
イ草の香りの感じられる癒しの場所。
小さなスペースでもよいので、タタミの居場所を考えてみて下さいね。

 

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