「木のマンションリノベ」 ―広島のマンションを木の家に―

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マンションにおいても木の家のような心地よさを感じたい。
利便性の高い街中ではマンションが暮らしの定番ですが、同じようなプランが多く、木の家のような「自由な間取り」「木の仕上げ」に憧れる方も多いのではないでしょうか。
マンションでも、様々な工夫により、マンションのメリットと木の家の良さを両立した、より快適で自由な空間をつくることが可能です。そんな「木のマンションリノベ」について紹介したいと思います。

 

Contents

□マンションリノベの誤解

マンションのリフォーム・リノベーションと聞くと壁紙の変更やキッチンの交換などをイメージされることが多く、あれもこれもできないと思われている方がとても多いように感じています。間仕切り壁やキッチンなどの住宅設備をすべて撤去した「スケルトン状態」から考えていくと、かなり自由に内部をつくることができます。

誤解① マンションは間取りの変更ができない

そんなことはありません。マンションは不特定多数の方が購入するものなので、販売効率から一般性を高めた間取りになることが多く、似ていることが多いですが、それしかできないというわけではありません。コンクリート造のマンションでは大きな柱によって構造を成り立たせているため、概ね6mピッチの柱で囲まれた空間の中では間仕切りを自由に動かすことが可能です。なので木造住宅に比べるとより大きな空間をつくることも可能です。ただし、水回りを大きく移動させるには制限があり、工夫が必要となります。なので水廻りを中心にしてプランを組み立てることが必要です。

誤解② 「無垢の木」は使えない

そんなことはありません。マンションでも木の床、木の壁、木の天井もつくることができます。マンション販売側としては反りや色むらなどクレームの対象となりやすい木の素材は使いにくいのが実際のところだと思いますが、自分の所有している部屋に使うことは、木の良さを感じてもらえれば問題ありません。ひとつ条件としてあるのは、下階への音の問題。規定された静音性能を満たす必要があります。なのでマンションの床ではふわふわするクッション付きのフローリングが使われていることが多いですよね。「木のマンションリノベ」では「乾式二重床」という工法を使うことで、仕上げの下の部分で静音性能を確保することで、仕上げに無垢の木を張ることが可能です。やはりしっかりした無垢の木の足触りはクッション付きのフローリングとはちょっと違いますね。

 

 

誤解③ 夏の暑さと結露はどうしようもない

そんなことはありません。夏の暑さは、昼間コンクリートに蓄熱された熱が、夜の間に部屋の内側に向けて放射されることによって、結露は内部と外部の温度差の大きさによって発生します。コンクリート壁の内側に断熱材をはりつけたり、窓の内側に内窓や障子を設けることで、熱が伝わりにくくすることで、夏の暑さも結露も軽減することが可能です。マンションリノベにおいても木の家のリフォームと同じように、温熱性能―快適性の部分は軽視されがちな傾向があります。毎朝の結露やそれに伴うカビの発生はストレスになりますし、健康的にもよいものではありません。温熱性能の向上と空調計画によって、より快適な暮らしを実現でき、省エネにもつながります。

 

 

誤解③ すべてが自分のモノ じゃない

マンションでは構造体など建物全体の性能を担保する部分については共有部分となり、部分所有者が勝手に変更することはできません。柱や梁は分かりやすいと思いますが、意外に思うかもしれませんが、玄関扉やサッシ(窓)なども共有部に含まれるんです。外部分のバルコニーについても同様です。細かい部分は各マンションの管理組合さんに規定があると思いますので、玄関の鍵なんかも交換の際には管理組合さんに問い合わせてみた方がよいかと思います。

なので、基本的には建物区画の内側だけが自由になる、と考えておくのが良いと思います。マンションは全体がみんなの持ち物という考え方がありますので、構造を傷めたりのないようにすること、上下階や両隣に対しては先に述べた下階への音問題など配慮することが大切ですね。

 

□木のマンションリノベでできること

□プランニングのポイント

1.光と風を通す

マンションの間取りは部屋で仕切られ、光の届かない場所があったり、風の通りにくい間取りであることが多いです。上で述べたように、窓を移動したり増やすことはできないので、間取りで風や光の通り道をつくてあげることがポイントです。マンションの類型として細長いプランが多いので、その流れを止めないように、キッチンの向きなどを調整することで、風を遮らないルートをつくります。限られた窓(光の入る場所)を有効に使えるように、できるだけ光を部屋の中に拡散できるよう考えます。窓をまたいで壁1面に障子を設置することで、実際よりも窓を大きく見せ、より明るさを感じさせる手法もあります。内窓ほどではありませんが、障子には窓をカバーする断熱効果もあります。

 

 

2.大きさを調整する

マンションの一室は大きさがピッタリ決まっているので、その中でどうやって上手に共有スペース、水回り、プライベートゾーンを割り振っていくかが間取りのポイントになってきます。先ほど書いたように、水回りは大きく動かすのが難しいのですが、少し便利な場所に移動したり、大きくしたり、小さくしたり、微妙な調整で使いやすさや快適性をあげていきます。もうちょっとで大き目の洗濯機が入らなかったとか、モノが置けなかったというのを解消するだけでもずいぶん使い勝手が変わるはずです。
また、コンパクトな空間を無駄なく活用するために、つくりつけの家具を採用します。デスクやテレビ台など、その場所の寸法に合わせてつくることで、無駄なすき間が生まれませんし、全体のテイストを統一することができ、スッキリとした印象の空間になります。そうやって空間を組みなおすことで、使いやすく、様々な使い方のできる居場所をつくることができます。

 

 

 

3.収納を確保する

マンションの不満のひとつに、収納が不足しがちなことがあげられます。コンパクトな空間の中に、うまくモノを納める場所を組み込んでいくことがポイントとなります。大きな収納スペースをまとめてとるよりも、普段使うものを使う場所の近くに納められるように、各場所に少しずつの収納を設けることで、スペースを確保しやすく、すき間空間を活用することにもなるので、プランに自由度を残しながら、トータルでより多くのものが納められる状態をつくることができます。

 

 

 

4.木を使う、自然の素材を使う

足に触れるところ、手に触れるところに無垢の木を使うことで、マンションの中でも木の柔らかさ・優しさを感じることができます。木以外にも、土や草、自然の素材を、塗壁や、陶器タイル、イ草畳として使うことで、触り心地や匂いなど五感に働きかける空間になっていきます。木や土や草、自然の素材は湿気をすったりはいたりしてくれるので、室内の湿度も調整してくれて、より快適な室内空間を実現してくれます。

 

 

□心地よいマンション暮らしを

マンションでもいろいろなリノベーションの可能性があります。間取り・温熱性能・木の仕上げ。街中にいながら、郊外に住むような、自由な木の香りを楽しむ暮らしを実現する「木のマンションリノベーション」。木の家のような自然の素材に囲まれた、心地よいマンション暮らしを考えてみませんか。

 

 

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