小さな手仕事 造作家具 / T V 台
先日、お客様のところへ大工さんにつくってもらったTV台を納品いたしました。お客様には大変喜んでいただき、とてもうれしく思います。大工さんのつくる家具はシンプルなものですが、実は色々と考えてつくっているんです。
造作家具をつくる時にいつも考えることは、
①使いやすさ
②家の雰囲気にあわせること
③シンプルですっきりとしたカタチ
です。
既製品を置くのではなく、せっかくオリジナルのものをつくるのですから、その家、使い方にぴったりと合ったものを提案したいものです。今回のケースでは、バータイプのスピーカーを使われていることがポイントでした。
写真のように、スピーカーはナナメ上向きなので、箱で囲ってしまうと音がうまく広がらなくなってしまいます。かといってTVの前にデンとあるのも邪魔くさいものです。ですので、TV台の天板に段を付けてTVとスピーカーそれぞれを独立しておくカタチを考えました。しかし、ここで問題がひとつ。段を付けて普通に箱にすると、角が多くでてきて、万が一小さなお子さんがケガをする危険があります。なので、ここでは側板を伸ばし、端をアールにすることで、角をなくすことにしました。これにより優しい雰囲気もでてきたと思います。
TV台を考える時もうひとつ考えるべきことは、配線をどう隠すかです。テレビ周りはDVDプレイヤーやゲーム機などたくさん線が出てきてごちゃごちゃとしやすいところです。今回は天板や中板に穴をあけて線を通せるようにして天板の上に線が出てこないように。さらにスピーカーを置く台の裏にスペースができるので、そこを線をたくっておくスペースとして使うことで、台の中にも線がたまらないように工夫しました。これでずいぶんとスッキリと見えるようにすることができました。ありものの材料でつくりましたが、天板に使った米杉の赤味のある色がよいアクセントになってくれています。
小さな造作家具ですが、しっかりと使い勝手や見栄えを考えながら、ひとつひとつ「手仕事」でつくり上げているのです。
これから末永くお客さんに可愛がってもらえると嬉しいですね。