新型コロナウイルスの影響について 今できること、できないこと(2月末現在)

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コロナウイルスが猛威を振るっております。2月29日から東京ディズニーランド、ユニバーサルスタジオジャパンなどの大型テーマパークが臨時閉園となり、小中高校まで春休みまでの休校が決まりました。建築業界におきましても、各メーカーさんから住宅設備―キッチン・ユニットバス・トイレなどの出荷が停止もしくは遅延という情報が出ています。現在の状況とできること、できないことをまとめてお伝えしたいと思います。

 

Contents

各メーカーの現状

各メーカーさんごとに影響の出ている商品が違うようです。以下に主な商品の状況をまとめます。

 

・Panasonic  →納期回答未定

システムキッチン 全シリーズ / 食洗器・IHコンロ・レンジフード

システムバス 全シリーズ / 照明器具・暖房換気乾燥機

トイレ アラウーノ全シリーズ

内装ドア 全シリーズ

収納用器具 全シリーズ / 折れ戸

 

・TOTO   →納期遅延・受注停止

トイレ ほぼ全シリーズ

システムキッチン 全シリーズ

洗面化粧台 全シリーズ

 

・LIXIL  →出荷遅延・受注停止

システムキッチン 全シリーズ / 食洗器・IHコンロ・レンジフード

システムバス 全シリーズ

トイレ ほぼ全シリーズ

タイル 一部商品

 

・タカラスタンダード  →出荷遅延

システムキッチン / 食洗器・IHコンロ

トイレ / シャワートイレ

 

その他サンワカンパニーなどのサプライヤーも続々と出荷停止が発生しています。

 

原因と今後の予測

全体として水回りの器具が不足している模様です。トイレは便器自体ですが、キッチンなどについては食洗器やIHコンロなどの部材がそろわないために出荷できないという状況のようです。供給不足のため、新築住宅や水回りリフォームにおいても引き渡しの遅延が発生しているようです。原因はやはり中国からの部材供給がストップまたは遅延しているためのようです。中国で生産している商品についてはもちろんですが、商品の中のごく一部の部材、例えばねじひとつが入らないために出荷できない。という状況があるようです。グローバリズムによる海外依存の弊害が出ているように思います。さらにこの状況が続けば、他の建材についても遅延や出荷停止の商品が出てきそうです。例えば大建工業さんが扉周りの商品について3月中旬以降の遅延の恐れを発表されています。現状のコロナウイルスの趨勢をみると、通常状態への復旧を楽観的にみることは難しいように思います。ただ木材については今のところ中国を経由する一部樹種の品薄はあるものの、代替品もありますし、問題なく動いているようです。

 

今できること、できないこと

上記のような状況がある中で、どのような工事が可能なのでしょうか。ここでは新築は置いておいて、リフォーム・リノベーションについて考えてみます。水回りは器具の入荷が保証できないため、器具の更新を伴う工事は少し延期された方がよさそうです。緊急性があり、どうしても更新が必要という方は、限定されてはいますが、手に入る器具を組み合わせてつくるということは可能です。

 

ケース①キッチン

限定された商品にはなると思いますが、IHコンロや食洗器、レンジフードが入手できれば、キッチン本体を家具屋さん大工さんで造作してつくることが可能です。扉の面材についてはメーカーさんよりも選択肢が小さくなりますが、形状や寸法については自由につくることができるので、既製品がうまく入らないような場所ではかえっておすすめです。シンクの下を空洞にしてゴミ箱置き場を設けたりすることも可能です。

 

 

ケース②お風呂

システムバスを工務店で造作することはできませんが、タイル張りのいわゆる在来工法のお風呂をつくることは可能です。シャワー水栓と浴槽が手に入れば、あとは左官さんで壁をつくり、タイルを張って高級感のあるお風呂に仕上がります。ちょっとこだわって板張りのお風呂にすることも可能です。デメリットとして、システムバスよりもコストがかかることと、比較的寒いお風呂になってしまうことがあげられます。

 

ケース③洗面台

こちらも洗面器と水栓の組み合わせで、大工さんで造作することが可能です。キッチンと同様に扉の柄の選択肢は減りますが、デザインの幅は広がり、寸法も自由になります。

 

 

ケース④トイレ

こちらだけはなかなか対応が難しいところです。便器の器具が手に入らないと、代替はほぼ不可能と言っていいと思います。戦国時代のような木製のぼっとん便所ならかのうでしょうが、そういうわけにもいかないですよね。

 

ケース⑤扉・家具など

現状ではPanasonicさんだけですが、他メーカーも続けば既製品の扉・家具がまったく手に入らない状況も考えられます。しかし、扉類は建具屋さんでつくることが出来ますし、しっかりした造作大工さんがいれば家具もつくることができますので心配することはありません。気にせず内部の改修工事をすることが可能です。

 

 

まとめ

現在のところでは水回り特に一定のIHコンロや食洗器、トイレなどが手に入りにくい状態です。トイレについては器具が手に入るめどがつかないと工事は難しい状況です。それ以外のキッチンなどについては大工さんで造作など条件が合えば工事が可能です。このような物のない時にこそ、つくり手の技量が大事になってきます。いつも考えながら工夫して仕事をしている工務店・大工さんならあるものをうまく使いながら工事をまとめてくれるはずです。工事を発注する際には、相手が普段どのような仕事をしているか、既製品ばかり使っているのか、それとも木を使って手仕事をしているのかを確認してみるとよいと思います。

なににせよ、新型コロナウイルスが早くおさまってくれると良いのですが。
皆様もお身体にお気を付けください。

 

 

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