「職場体験学習」で中学生がやってきました。

この2週間で「職場体験学習」で2つの学校から3人ずつ計6人の中学生がやってきてくれました。
みんな様々な理由でモノづくりに興味があるとのこと。
今回は工務店業務=家づくりの業務のアレコレを体験してもらおうと、2日間の体験学習の中で、大きく【設計】と【施工(大工)】の二つに絞ってカリキュラムを組んでみました。
【設計】の体験で、まずは図面かき。
自分の家の間取りを思い出しながら描いてもらいました。
流石にプランはみんなよく覚えていましたね。
ですが、部屋の大きさになるとちょっと勝手が違うようで、お風呂が実際の4倍になっていたり。
意外とどのお家にも【畳の部屋】があるようで、畳の部屋の大きさを手掛かりに書いてもらったのですが、実際の寸法と図面で見るサイズって意外と理解しにくいんですよね。
これは新築の図面を見る時も一緒で、なかなか図面だけでは分かりにくいもの。
なので、新築のご提案の時には【模型】や【パース】がイメージを分かってもらいやすいですね。
その後には現場巡りで、今やっている現場や、OBさんのお宅を回らせてもらって、色んな家のつくり方があるよね、って話をしました。
【土地】と【住まい手】によって、家は一軒一軒違うものになるということ、素材の話、長持ちの話、、、かなり夢中になって説明してしまいました。うざかったかな(笑)
さて、色々見てもらった後は【設計演習】に挑戦。
ある敷地を仮定して、自分の住みたいお家を自由に描いてもらいました。
なかなかみんな個性的な平面図を描いてくれました。
大きな和室があったり、中庭があったり、うまくコーナーを使った提案があったり。
見てもらった物件を参考に、ウッドデッキや半外部もしっかりつくってくれてました(笑)
後半は【大工体験】と【木の小物づくり】。
大工さんにならいながら、鉋をかけたり、ノコギリを引いてみたり。
悪戦苦闘しながらも、順番待ちがもどかしいくらいに一生懸命取り組んでくれました。
最後には立派な【仕口】まで!
今回、「つくりたい木の小物はありますか?」とたずねたところ、『スマホスタンド!』という声が多数。
それならと、それぞれに「どんな使い方をしたいか?」「どんな形にしたいか?」のイメージを考えてもらいました。
するとみんな本当に素敵なアイデアが出てきて、ちょっとびっくり。
そのアイデアをもとに、「ここはどう組み立てる?」「ここはどうしたら使いやすいかな?」「ここはこの寸法で大丈夫かな?」など、ひとつひとつ使いやすさやカッコよさ、つくりやすさまで考えながら一緒に図面をつくりました。
図面をもとに、大工さんと一緒になって、部材どりをして、磨いて、組み立てて、、、完成!
ひとつとして同じもののない、6つの【オリジナル・スマホスタンド】が生まれました。
子供たちの自由な発想はホントに素晴らしくて、一生懸命につくる姿には、モノづくりの原点って、「つくるを楽しむ」ことだなぁ。と、あらためて思い返しました。
この小物づくりでは、自分の【イメージ】をふくらませ、それを様々な視点から検討して【現実のモノ】にしていくという一連のモノづくりの過程を体験してもらえたのではないかと思います。
これは規模は小さいですが、【家づくり】の過程と全く一緒ですね。
ひとつのモノをつくるにも色んな過程があって、そのどれもが大事で、ひとつひとつの過程を大切にすることで、いいモノが生まれる。
そんな経験を持って帰ってくれると嬉しいですね。
2日間、なかなか大変でしたが、モノづくりの楽しさを少しでも感じてくれたならいいなと思います。
建築にたずさわる人がどんどん少なくなっているこのご時世。
モノ作りに興味ある、一生懸命取り組んでくれる子たちがこれだけいることに未来の希望を感じた2日間でした。
きてくれたみんな、ありがとう!