家と庭で「家庭」になる。外構計画について。

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「一戸建てを購入するのであれば、庭付きの家にしたい!」
誰もが思う理想の家ですよね。

それは大正解。家と庭は切っても切れない関係です。
建物が立派でも、植栽の1本もなければ裸と同じ。家も風邪をひいてしまいます。
庭の必要性、つくり方を外構計画を含めて書いてみたいと思います。

Contents

□家と庭の関係について

家と庭は別々に考えがちですが、実はお庭の存在が家の中での暮らしも助けてくれるのです。
例えば、南側の大きな窓。光がたくさん取り込め、明るく気持ち良い部屋になりますが、夏には日射が強すぎて暑くなるため、カーテンを閉めたりと残念なことになりがちです。
しかし、庭に木々が植わっていれば、暑い夏の日差しを遮ってくれ、目隠しの役割も果たしてくれるので、カーテンを閉めることなく、開放的で、でも包まれた心地よい時間を過ごすことができます。
南面の植栽を落葉樹にしておけば、冬には葉が落ち、太陽の暖かい光を室内に取り込んでくれます。
ゴーヤやヘチマを使った緑のカーテンもこの役割を果たしてくれることで有名ですよね。

難しいことは考えなくても、単純に窓の外に緑の広がる風景は眺めていて心地よいものです。
「紅葉の葉っぱが赤くなったよ!」季節に応じ変わっていくお庭の変化を見つけたり、「あ、あの花が今年も咲いたよ!」毎年繰り返される自然のサイクルを感じられるのも大きな魅力です。
自然とともに暮らす豊かさを感じられるのがお庭のありがたさではないでしょうか。

もちろん素敵なお庭があっても、部屋の中から全然見えないような間取りでは意味がありませんよね。
このように家と庭はお互いが相互補完し引き立て合う関係です。
家を設計する計画段階から、お家とお庭を同時に考えていかなければ、なかなかよい「家庭」にならないんですね。

 

□庭のある家の考え方・つくり方・外構計画

お庭をつくるとき、どんなお庭にするといいか悩みますよね。
敷地の大きさや、建物との関係によっても変わってきますが、建物のまわり、敷地の中すべてがお庭と考えましょう。
そのお庭の中に車を置くところ、眺める庭、遊ぶ庭、をどこに置こうか考えていきます。
これが配置計画・外構計画の基本となります。

広島の郊外のお家ではまず車が必須ですから、家にもよりますが、2~3台の駐車スペースを確保することになります。
道路から出入りしやすく、お部屋からの視線の邪魔にならいのが理想ですね。

まずはしっかりと植栽を行うこと。
高木・中木・低木・アンダーカバーをバランスよく植え、どの窓からも緑を楽しむことができると最高ですね。
道路や窓との関係から、周囲からの視線を遮る目隠しを兼ねることも考えるとよいですね。

そしてお家のメインとなる空間に接して、大きなお庭のスペースがほしいものです。
この時、その場所が外に出てBBQをしたり、運動をするような「遊ぶ庭」にするのか、お部屋から緑や水を楽しむ「眺める庭」にするのかが大きなポイントです。
家族構成や、確保できるスペースで変わってくると思います。
もちろん敷地に余裕があれば、「遊ぶ庭」と「眺める庭」をうまく配置すると、遊ぶ子供たちも風景になる素敵な場所になっていきますね。

どちらにしてもせっかくお庭があるのですから、やはり少しは外に出て風や緑の匂いを感じたいものです。
小さくてもさっと外に出て佇める場所をつくると、ぐっと生活の幅が広がります。
「ウッドデッキ」や「濡れ縁」、「石畳」などを設えれば、ちょっと外に出て腰を掛けたり、本を読んだり、お茶を飲んだり心地よいひと時を過ごせます。
広めのウッドデッキなら、テーブルと椅子を出して、気持ち良い天気の朝食をとったり、ちょっと気分を変えた食事の時間も楽しむことができます。
屋根があれば雨の日にも楽しめますし、洗濯物を干すスペースとしても活用することができます。

敷地によってスペースのなかなか取れないときや、予算の都合でなかなか広い範囲をカバーできないようなときには、エリアを絞って豊かな場所をつくると良いと思います。
LDKの前のスペースや、玄関の付近に小さくてもまとまった植栽スペースをつくれば、家族で過ごす団らんの時間や、家から出かける時、家に帰ってきたとき、毎日楽しむことができますね。
せっかくの緑をできるだけたくさん楽しむことのできるよう工夫するとよいですね。

もう一つ「借景」という手法があります。
これは自ら木を植えなくても景色や緑を楽しむ方法です。
文字通り、周りにあるお隣のお庭や向こうの山々など、周囲の景色を「借りて」楽しむ方法です。
このためには周囲の環境を整理し取り込むきちんとした設計が必要になります。
せっかく近くにある魅力的な環境をうまく生かす。設計の基本であり、極意ですね。

色々な方法や考え方がありますが、どんなお庭がいいか、お庭でどんなことを楽しみたいか。
想像を広げて考えてみると、楽しいお庭にたどりつけそうです。

 

 

□お庭のもう一つの役割

お庭はお家と街の間にある場所です。
お庭のあるなし、つくり方で街とのつながり方が変わってきます。
この、街との間が緑で覆われれば、ゆるーく無理なく家と街が良い距離感でつながっていき、家の人も、町の人も楽しめる場所となっていきます。
お花や実を介してご近所さんとのコミュニケーションも増え、その場所はより過ごしやすい環境に変わっていくはずです。
そして、家々のお庭の緑がつながっていけば、その道、その町の風景はより美しいものにかわっていくでしょう。
ひとりひとりのお庭とお家の考え方が、住み心地のよい街をつくっていくことになるんですね。

お家とお庭、ぜひ一緒に考えてくださいね。

 

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